差別化(ブランディング)で伝わるチラシ作り

差別化(ブランディング)で伝わるチラシ作り(1)

最近はロゴ・チラシ・webサイトなどを自分で制作できるツールが増えています。
しかし、なんとなく作ってみたけれどこれでいいのかよくわからない、という話も多々耳にします。

2018年に、お世話になっている「一般社団法人ハーサイズ」さん主催の「《チラシ・名刺・パンフレット》販売促進ツールでブランディング」講座で、販促ツールの代表格、チラシを自分で作る方法についてお話をさせていただきました。
(資料の公開を快諾してくださり、ありがとうございます。)

今回は連載記事として、講座で使用した資料を元に「わかりやすいチラシ」からさらに一歩進んだ「知って欲しい人に、わかりやすいチラシ作り」について書いていきたいと思います。
(前提として、制作主はどんな分野で事業を展開していきたいかをすでに決めていることとします。)

チラシ・名刺・パンフレット 販売促進ツールでブランディング 表紙

それとは別に、以前下記のようなチラシ制作初心者様向けの記事を書かせていただきました。

チラシ作りの最終目的は「自分が将来どうなっていたいか」

ご依頼いただいたのがどんなに小さな制作物でも、できる限り聞くようにしているのが「将来この仕事や活動を続けて、どんな存在になっていたいですか?」ということです。
わたしは、全ての販促ツールを、事業のミッションやビジョンからブレないよう作るべきだと考えています。

自分で作るときも人に依頼するときも、できる限り文字にして「事業のミッションやビジョン」を伝えるようにしてみてください。

ミッションやビジョンの設定に役立つ本

直感と論理をつなぐ思考法 VISION DRIVEN
ドラッカーが『マネジメント』でいちばん伝えたかったこと。

一番自分の能力が活かせて、役に立てるフィールドを見つける

働く目的(ミッション、ビジョン)がハッキリしたら、その目的を達成するために「自分のどんな強みを」「どのように役立てられるか」、自分自身が知ることが大切です。

個人的に一番役に立ったのがSWOT分析でした。
下図のように紙を四つの部屋に分け、「①自分の強み」「②自分の弱み」「③機会・世の中の後押しになる流れ」「④脅威・世の中の壁になる流れ」を書き込んでいきます。

SWOT分析のサンプル画像

上表は、パン屋さんの販促ツール制作を依頼されたと仮定して制作した簡易SWOT分析表です。

  • 強み・・・自分(自分の店舗)の経験、特技、秀でていること
  • 弱み・・・自分(自分の店舗)の足りないところ、まだ成長できるところ、やりたくないこと
  • 機会・・・世間で起こっている、ポジティブな流行や時代の流れ
  • 脅威・・・世間で起こっている、ネガティブな流行や時代の流れ

4つの部屋を埋めたら、それぞれの特徴を掛け合わせどんな事業展開や販促行動の可能性があるかまで書き出していきます。

チラシ作りのためにSWOT分析をする目的は、自分が活動したい分野の中の「自分にしかない強みや得意」をきちんと把握し、販促ツールで正しく伝えるためです。
大事なポイントは、頭の中で考えるだけでなく文字情報として目から入れる、第三者に見てもらう、この2点です。
自分で自分の強みがわからない時は、お客様の自分に対する感想がヒントになります。お客様がふと口にした単語そのままを引用してみてください。

ご依頼者様の事業がお店の場合は、第三者の立場として食べログやGoogleの口コミを参考にすることもあります。ご依頼者様本人が見るにはパンドラの箱となり得る口コミサイトですが、第三者から見ると大切な意見かどうかがある程度判断することができます。
もしご自身で辛辣な意見の口コミを見てしまった場合は「この方は自分のお客様ではなかったんだな」と、スルーしましょう。
ポジティブな意見だけ、大切に受け取りましょう。
そのあと第三者に見てもらい、建設的な指摘だけ謙虚に受け入れればよいと思います。

SWOT分析に役立った本と講座

ドラッカーが『マネジメント』でいちばん伝えたかったこと。

Udemy
〜デザイナーの頭の中、大公開〜 企画を「1枚の紙」で、伝えきる。
【これだけでOK!】あらゆるビジネスに役立つ!はじめての実践マーケティング講座

大切なことは、デザイナーとご依頼者様はパートナーである

デザイナーはみな、ご依頼者様の事業を成功させたい、もっと良くしたいと思い制作していますが、ご依頼者様の協力なくして事業のミッションやビジョンをよく理解することはできません。
「全部お任せします」「自分の頭の中でわかってる」では、最善の結果を出すことができません。
もしできたように見えても、長い目で見たときに一貫した事業イメージを守り続けることが難しくなってしまいます。

ぜひ、一緒に書き出しながら考えましょう!

続きは「差別化(ブランディング)で伝わるチラシ作り(2)」